映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』

「実写化である」という点だけで、昨今のなんでも実写化に辟易している人たちはもういいわと思うかもしれないが、四部が好きで見るとまあとんでもないというわけではない。

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章

 この実写化には漫画からの大きな改変点がある。それは仗助の祖父、形兆の父、そしてアンジェロの父、三人の父親による仗助、形兆、アンジェロの三人の関係性である。

映画では仗助の祖父の出番がかなり増えている。この改変は実写化という観点でみると良く働いている。漫画はこれまでの三部までに培った土台がある上での四部であるが、映画ではこれ単体で勝負しなければならない。そのため、町を守るために一生を捧げた警察官の祖父の死が、漫画以上の大きなターニングポイントになるのだ。

さらに本作ではアンジェロの過去の改変がある。漫画では影も形もなかったアンジェロの親父だが、映画ではアンジェロの成り立ちに大きな影を落としている。映画のアンジェロはただの快楽殺人者ではないのだ。

形兆の父親は言うまでもない。

この三者の父性の違いにより三人の因縁が漫画より濃くなり、よりドラマチックな結末になっている。最後海辺に立つ仗助の「俺がこの町を守りますよ」のセリフの重みが増すのだ。

できることなら形兆とアンジェロの、親父に苦労しているとう共通点はありつつも育ちの違いが出ている食事シーンだけでも見てほしい。漫画を読んでいれば「形兆とアンジェロが食事するってどういうことだよ!?」と思うだろうが、これが良いんだよ。

確かにちょっと残念なところはあるが、後編も絶対見たいとい思える作品である。

 

個人的にはいっそのこと四部構成にして

  1. アンジェから形兆戦までの「俺がこの町を守りますよ」編
  2. 主要な由花子・露伴などの紹介、吉良の逃亡までの仲間紹介編
  3. 吉良の屋敷探索から川尻家の面々が登場し「あれ? 主人公って吉良吉影だっけ?」となる吉良編
  4. 最終決戦編

みたいな話で見たかったなと思う。

 

まだまだ康一くん活躍してないし由花子さんもラスボスみたいな雰囲気撒き散らしてるだけだし吉良はスタンドしか出てないしそもそも出番はあるのか露伴だし後編を気長に待ちたい。


【映画紹介】『ジョジョの奇妙な冒険(実写版)』をレビュー【浅井ラム】

ようするに言いたいことはほとんどこの動画に出てる。